中東の民主化デモで尻に火がついた中国?

中東の民主化デモの波が、中国にも押し寄せているみたいですね。
「茉莉花(ジャスミン)革命」という名前で、抗議活動を行おうという市民が出てきているようです。

中国に「ジャスミン革命」を=ネット上で集会呼び掛け
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110219-00000083-jij-int

こうした動きに対して、中国政府は徐々に対応を強化しているようですね。
というのも、今回の動きが天安門事件を思い起こさせるからでしょう。

天安門事件の再来を避けたい中国政府

中国では今でも天安門事件の話題はタブーなのだそうです。
ネットで調べようと思っても、情報にたどり着く事ができません。

金盾という情報統制のシステムでブロックされてしまいます。

ですから今回も、天安門事件の再来と言うことだけは避けたいのでしょうね。
共産党政権を維持するために。

中国政府がどれだけ天安門事件の事を気にしているかは、次の記事が参考になるでしょう。

共産党幹部の一人が筆者に語った。「学生デモのように、共産党へのアンチテーゼとしての事件が起きれば、首脳部は必ず迷う――軍を出動させ、武力で鎮圧すべきかどうか。最高意思決定機関である政治局常務委員9人の間でも、意見が割れてしまう。中央から地方へ、党から軍部へ、政府からインテリへと無限大に伸びる権力闘争につながって、ガバナンスが一気に混乱する可能性が出てくる。そうなると、共産党は完全に統率力を失ってしまう」

もう一度、天安門事件が起きたら中国はどうなる?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110215/218437/

加藤嘉一という方の見立てだと、天安門事件の再発は相当やばいことになるかもしれないということです。
国家の統制が取れないのですから、政権維持すら難しいかもしれません。

天安門事件と今回の動きは構造が似ている

また、今回の中東の民主化運動の形は、天安門事件と似ているともいえます。

そもそも天安門事件のきっかけの一つが、物価の高騰です。
現在、世界的に食料品の価格が高騰しており、中東の民主化デモも食料品価格の問題が大きいと言われています。

中国でも食料品の価格上昇はすさまじいようです。
政府も物価の安定を図ろうとして金融政策を売っています。

中国で、デモが起きたら、明らかな類似点といえるでしょう。

民主化の要求と言う意味でも、当然、天安門事件と中東の動きは類似しているでしょうね。
上で引用したように、中国で民主化要求が広がったときに、政府はどう対応するのでしょうかねえ?

規制強化の流れをまとめてみよう

市民の動きと規制の流れを、簡単に時系列にまとめて見ましょう。

最初は中国政府の対応は結構穏やかなものでした。
エジプトのデモ関連のニュースに対して、アクセスを遮断するだけだったのです。

中国の検閲当局が、エジプトでの反政府デモの報道を規制し、インターネットでの議論へのアクセスを遮断している。エジプトのデモが中国国内の改革を求める声に火をつけかけないと当局者らが懸念しているとみられる。
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2784024/6755382

これは2011年01月31日付けの記事ですね。
中国政府筋の発言として、中国とエジプトでは統治モデルが違うから問題ないという認識が記事になっています。

ただ「完全な統制」とはいえない状態で、一般紙の報道の扱いも大きい。中国政府関係者は「中国と同じ社会主義の政治体制だったソ連や東欧の民主化で中国は強い危機感を抱いたが、エジプトなどイスラム国家は政治体制が異なる」と指摘。共産党内にも「中国共産党の統治能力は高く、エジプトなどと違う」と自信も漂う。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381E19494EB9FE2E38DE3E0E2E0E0E2E3E39494EAE2E2E2

上の記事は2011年02月11日付けです。
この段階では、中国政府は余裕を持ってみていたのでしょう。

ところが、そこから一週間経たないうちに、一番上で紹介した「茉莉花(ジャスミン)革命」という動きが出てきました。
この動きも、エジプトなどと同じく、ネット発ということです。

13都市からデモの提唱があったということで、もしかしたら、全国的に広がっているのかもしれませんね。
少なくとも、一部だけの話とは思えないですよね。

ネット上の書き込みは、北京や上海、天津、広州など13都市で20日午後2時に、共産党一党独裁体制の廃止、私有財産権の保障、報道の自由、司法の独立、民主化などをスローガンに集会を開くよう提唱。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110219-00000083-jij-int

「茉莉花(ジャスミン)革命」が日本に伝えられたのは、2011年02月19日です。

さて、こうした動きに対して、中国政府は対応を強化していきます。
明らかに尻に火が付いたという感じでしょう。

胡錦濤・共産党総書記自身が管理強化をするように発言しています。
国家のトップの言葉ですから、かなり強いメッセージであることは間違いありません。

「情報、ネットの管理を強化し、仮想社会に対する管理の水準を高め、ネット世論を指導するメカニズムを整えよ」と指示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110219-00000689-yom-int

胡錦濤のこの発言も、「茉莉花(ジャスミン)革命」のニュースと同じ2011年02月19日です。
実は相当切羽詰った状況なのかもしれませんね。

そして、この発言を受けてでしょうか、ついに逮捕者まで出る事態になりました。
100人以上が外出禁止を要請され、一部は警察に連行されたと言うのです。

中国当局は20日、インターネットを通じて北京、上海を含む主要13都市で政治改革などを求める集会の呼び掛けがあったことを受け、情報統制を強化した。香港メディアなどによると、中国各地で19日以降、活動家や不満分子ら100人以上が外出しないよう当局者から要求され、一部は警察に連行されたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110220-00000046-jij-int

このニュースが2011年02月20日です。
胡錦濤の言葉を受け、早速対応したのでしょうか。

何れにしても、当初の対応に比べると、かなり取締りを強化したと言う印象ですね。

このまま大きな民主化運動に発展することは避けたいはず

中国政府とすれば、このまま大きな民主化運動に発展するのは、ぜひとも避けたいはずです。
そのためには更なる規制強化をする可能性はあるでしょう。

エジプト政権が倒されるのをリアルタイムで見ている以上、彼ら自身も人事だとは思えないでしょうね。
さて、どうなりますことやら。

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