ダイヤモンドのオンラインサイトに、中国のシャドーバンキング問題に関する高橋洋一氏の記事が掲載されています。
中国シャドーバンキングの記事では、悲観と楽観に極端に偏ったものが多く、中立的な記事は少ないのが実情です。中国問題となると、政治的な意図が絡むことも多いですからね。どちらの主張にしても、かなり極端です。
しかしこの記事は、どちらの立場の意見も記述されており、バランスが取れているのではないでしょうか。問題がイチから記述されているので、全体像を把握するのにも役に立ちます。
- 中国版シャドーバンキングの規模は31兆元
政治リスクが崩壊後の処理を難しくする(ダイヤモンド・オンライン)
これまでとは状況が違うと言うのがポイント
ちなみに、これまでも、中国経済の行き詰まりを語る人は少なくありませんでした。様々な問題を抱えているのは事実ですからね。
しかし結果的には、中国はそれらの経済問題に対処できています。問題は、今回のシャドーバンキング問題も、過去と同じような対処ができるかという点ですね。
これに対しては、今まで程楽観的ではないというのが、記事に主張のようです。なぜかというと、中国経済の成長スピードが遅くなってきているからです。
今までは、経済の様々な問題を、成長が隠してきていたのです。しかし、今後は今までのようなペースでの発展が期待できない以上、対処できるかどうかは不透明だと言うことですね。
中国経済の成長が止まった最大の要因は、一言でいうと、安価な労働力の供給が難しくなったからです。中国での人件費が上がるということになると、中国で生産をするメリットはあまり大きくありません。中国が経済成長して、中国人が豊かになればなるほど、魅力は年々小さくなって行くのです。皮肉な仕組みですね。
もちろん、内需型の経済に移行できれば、中国人の人件費の上昇はカバーできるのでしょう。しかし現状を見る限り、そういうこともできていないようです。
タグ: 中国政府はシャドーバンキング問題をハンドリングできるのか