中国から撤退の動きが止まらない| 中国から東南アジアへのシフトは加速しそうな勢いです

zakzak というサイトに、2014年の1~3月期は日本の対中投資が、前年同期比で半減したという記事が載っていました。ちょっと驚くような減り方です。

  • 異常な反日政策に日本企業は嫌気… 対中投資「47%」減(www.zakzak.co.jp)2014.04.18

これは、もともとどこの記事なのかな。産経新聞でしょうか。冒頭部分を引用してみましょう。

日本企業の中国離れが止まらない。中国商務省が17日発表した1~3月期の日本から中国への直接投資実行額が、前年同期比47・2%減の12億900万ドル(約1233億円)とほぼ半減したのだ。生産コストが上昇するなか、異常な反日政策に嫌気がさした日本企業が中国を見捨てた形だ。

ニュースサイトなどを見ると、上位は韓国の沈没船の話題で占められています。でも、日本経済にとっては、韓国の船なんて問題にならないくらいの大ニュースだと思うのですけどね。扱いは非常に小さいようです。

まあ、センセーショナルなニュースに引きずられる日本のマスコミの傾向は、今に始まった話ではないですけどね。でも、1年前より5割減るって、相当なことだと思うのですが。

裏を取ってみましょう

あまりにも極端な数字なので、ちょっと裏をとってみることにしましょう。ジェトロというところのサイトでは、「日本の直接投資(国際収支ベース,ネット,フロー)」という情報が公開されています。もともとは財務省のデータなのかな。これによると、2005年からの中国への直接投資をチェックすることが出来ます。

  • 2005年:6,575
  • 2006年:6,169
  • 2007年:6,218
  • 2008年:6,496
  • 2009年:6,899
  • 2010年:7,252
  • 2011年:12,649
  • 2012年:13,479
  • 2013年:9,104

122

グラフにすると、対中直接投資がすごい勢いで減っているのが分かりますね。

ちなみに、単位は100万ドルです。また、2013年の1~3月期が26億2900万ドルでした。

統計の取り方は違うのでしょうが、確かに12億900万ドルだと半減しているという感じですね。かなり急激な動きであることが分かります。

ちなみに、ジェトロのサイトでは、四半期ごとの直接投資の額も示されています。それを見る限り、直接投資のピークを迎えた2012年の後半あたりから、直接投資の額は減っているようですね。そして昨年は、32.5%のマイナスでした。

確かに2013年の減り方は凄かったですが、それと同程度、あるいはそれを超えるような大幅な減少を見せるかもしれません。「中国さんサヨウナラ」という感じになってきました。

ちなみに、アジア全体で見ると、2013年は統計がある2005年以降で直接投資が最大でした。つまり、中国で減らした分は他のアジア諸国に流れているという見方が出来ます。「日本企業は東南アジアなど人件費の安い国に生産拠点を移すケースが増えている」という記述も記事にありますが、それを裏付けることが出来る結果です。

おそらく、2014年1~3月期も同じ動きだったのでしょう。そして東南アジアへのシフトは今後も進んでいくものと思われます。非常に分かり易い傾向が見られました。

中国で頑張るメリットは少ないですからね

もちろん、こんなふうに中国から出て行くのは、誰がどう考えても自然なことでしょう。中国にいるメリットって、ほとんどありませんから。

生産拠点として考えると、人件費が高くてなって採算はあいにくいですよね。しかも、人件費は今後も上がっていくでしょう。環境問題もあるから、それに対しての対処も必要ですし。

もう少し内需が増えれば、マーケットとしての魅力も出てくるのかもしれません。でも、中国共産党が発表するGDP統計ですら、経済成長の目標を達成できない有様です。実際の数字はさらに酷いことになっているでしょう。

それに、不動産バブルの崩壊をきっかけにした、金融危機のリスクも否定できません。実際、社債のデフォルトなどは既に何件かおこっています。もっと大きい規模のデフォルトがあれば、本格的な金融危機もありえます。

反日デモを含めた政情不安の問題もあります。国内で中国政府が言う所の「テロ」が頻発しています。それに暴動の件数は、年間数十万件単位になるそうです。

唯一中国に残るメリットがあるとすれば、内需が拡大してマーケットとしての魅力が増した時でしょうか。でも、経済成長の現状を見ると、可能だとしても時間がかかりそうです。

どう考えたって、他国へシフトするというのが、自然な帰結でしょう。

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